DAZN UFC「世紀のライバル対決」西達彦

2017-07-30

UFC214の実況をDAZNにて担当しました。
今回のメインはライトヘビー級タイトルマッチ
「ダニエル・コーミエ   対   ジョン・ジョーンズ」。

対照的な両者。

背も低く、リーチも短い。でも体は分厚い。
圧倒的なレスリング力で相手を潰し、
ショートレンジのボクシング能力を発揮しながら、
最後まで衰えないスタミナで削り続けるコーミエ。

背が高く、リーチも規格外に長い。
関節蹴りや回転技、縦ヒジなどを多用し、
youtubeで見た技を試合の舞台で発揮してしまう、
天性のフレームと才能に恵まれたジョーンズ。

彼らはキャラクターも正反対。

五輪のキャプテンを務めるほどの人望を持ち、
真面目で誠実な人柄がどこかに滲むコーミエ。

史上最年少でUFC王者になり、その輝きを
利用しようとする人間に囲まれたジョーンズ。

ジョーンズはオクタゴンで圧倒的な強さを発揮
するものの、プライベートで自分に負け続けます。
薬物違反、飲酒運転、当て逃げ…
処分を繰り返し受け、王座を剥奪されます。

その中で、王座になったのがコーミエでした。
ですが、コーミエの中で引っかかっていたもの。
それは、ジョーンズに挑戦して負けた、
1度目の対戦のことでした。

今回は立場が逆転。チャンピオンのコーミエ。
チャレンジャーのジョーンズ。

両者のトラッシュトークはヒートアップ。
「今は俺がチャンピオンだ」と言い張るコーミエ。
「でも俺に負けただろ?」と煽るジョーンズ。
「お前は自分に負けたんだ」と返すコーミエ。
「お前は俺を悪者にしたいだけだ」とジョーンズ。

そんな中で行われた試合。
結果はジョーンズのKO勝利。コーミエは
キャリア初めてのKO負けを喫し、
ジョーンズに再び敗れ、王座も失ったのです。

「ダニエル・コーミエは素晴らしい選手だ。
お礼を言いたい」とジョーンズ。
確かに、コーミエがいなければ、彼は悪い仲間の
中で溺れ、戻ってこられなかったかも知れません。

そしてコーミエ。ライバル関係だったことを
インタビュアーに振られると。
「2回勝負して2回負けたんだ。
それはライバルとは言えないと思う…」

切ないなぁ。正しいことをしてきても、報われない
ことも世の中にはあるなと思ったのでした。
ジョーンズはコーミエの思いも受け取ったと
思うので、ぜひこれからは道を外れずに
頑張ってほしい、と心から思ったのでした。

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